表記ゆれや漢字表記はルールを決めて統一しよう。
あなたのサイトには表記ゆれを防ぐための表記ルールやガイドラインはありますか?
当初つくったルールも日々の運用のなかで形骸化してしまった、なんてこともあるかと思います。
自社のブログやコンテンツ作成において、いわゆる漢字のひらく・とじるや、ふりがな付け、外来語の表記統一で悩まれたことのある方は多いのではないでしょうか。今回はサイトの表記ルール作成時に知っておきたい、一般的な文章作成のマナー・決まりごとや、校正時に役立つチェッカー、WordPressでのオススメ一括置換プラグインなど、コンテンツの品質向上に役立つ情報をまとめました。ぜひあなたのサイトでも参考にしてみてください!
表記ゆれとは?漢字をひらくとは?
表記ゆれとは?
ご存知の方も多いでしょうが、改めておさらいしておきます。
用字用語の不統一。同じ文書や書籍の中で、本来、同音・同義で使われるべき語句が異なって表記されること。「メモリー」と「メモリ」、「引っ越し」と「引越」など。表記の揺れ。ひょうきゆれ【表記揺れ】の意味 – goo国語辞書
サイト内で、同じ意味の言葉が違った表記で書かれていると気持ち悪いですよね。
そういった統一されていない状態を指して表記がゆれているといいます。
そんなの気にしない、といった方もいるかもしれませんが、意識せずとも
知らず知らずのうちに読みづらさや違和感を感じさせてしまうのが怖いところです。
改行などと同じく、表記への配慮に欠けた文章は記事自体の信用も損ねてしまいます。
理解しているがSEOのため複数キーワードを散りばめている、という場合もあるかと思いますが
そういった場合でも最低限の併記にとどめ、文章の可読性を損ねないよう注意すべきです。
現在では検索エンジン側も、表記ゆれをある程度吸収し結果を表示してくれています。
参考:Yahoo!検索ヘルプ – 「表記のゆれ」について
参考:キーワードの表記揺れにどのように対策・対応するべきか? | SEO対策Q&A [SEO HACKS]
参考:Googleが言葉の表現や揺れを理解しはじめました。 – WEBマーケティング@武藤
漢字をひらくとは?
必要以上に漢字が多い文章は堅苦しく、読みづらく感じてしまいます。
そうした漢字表記をひらがなに直すことを、漢字をひらくといいます。
通常、これらのひらく・とじるは常用漢字か否かを基準にしています。
ただし常用漢字でも一般的な音訓(読み)でない場合は、ひらくことが多いです。
先日はお招き頂き、誠に有難う御座いました。
↓
先日はお招きいただき、誠にありがとうございました。
予めご了承下さいます様、宜しく御願い致します。
↓
あらかじめご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします。
どこまで漢字をひらくか、に決まったルールはありません。
前述した常用漢字をベースに、個々のメディアやサイトごとに独自のルールを用いています。
なにより大事なのは読みやすく、伝わりやすい平易な文章を心がけることです。
これらのルール付けを日々意識していると、メールでの文章作成にも役立ちます。
よくある漢字だらけのビジネス・挨拶メールなどは丁寧な印象こそ受けますが、
堅苦しく余裕のない印象を与えてしまいます。そしてなにより読みづらいです。
適度にひらがなに直してあげれば、やわらかくスマートな印象を与えることができます。
参考:改定常用漢字表|文化庁 ※PDF形式
参考:技術文書の書き方 実践テクニカルライティングセミナー:第8部 用字用語の考え方と用例-漢字書きとひらがな書きの使い分け-
知っておきたい一般的な文章マナー。
ここではサイトの表記ルール作成時に知っておきたい、一般的な文章マナーをまとめました。
すべてを網羅した表記ルールの作成・運用は難しくとも、チーム内でこれらを共有し意識して
業務にあたれば、チーム全体でのライティングスキル底上げにつながるかもしれません。
※すべて調査・確認した上で掲載していますが、そこは奥深い日本語の世界。あるいは認識違いがあるかもしれません。誤った認識についてはご指摘いただければ幸いです。
一般的な文章マナー。
補助動詞はひらく。動詞はとじる。
それを読んでください。
その本を僕に下さい。
その動詞本来の意味で使う場合以外はひらきます。
複合動詞の後半はひらく。
眠りつづける。
読みなおす。
動詞が複数連なる場合、後半の動詞はひらきます。
副詞はひらく。
もっとも効果の高い~。
ほとんど効果のない~。
一般に副詞は漢字で書かず、ひらきます。
形式名詞はひらく。実質名詞はとじる。
文章を書くことが苦手だ。
事が起こってからでは遅い。
具体的な意味をもつ場合以外はひらきます。
とき(時)、もの(物)なども同じように扱います。
一般的にひらく漢字。
表記ルール作成時のサンプルとして、一般的にひらく漢字をご紹介します。
※頻繁に使われそうな漢字を抜粋
漢字 | かな |
---|---|
予め | あらかじめ |
併せて | あわせて |
言う | いう |
致します | いたします |
頂く | いただく |
一旦 | いったん |
及び | および |
下さい | ください |
事 | こと |
毎 | ごと |
先程 | 先ほど/さきほど |
更に | さらに |
既に | すでに |
全て | すべて |
是非 | ぜひ |
沢山 | たくさん |
但し | ただし |
為 | ため |
出来る | できる |
問合せ/問い合せ/問合わせ | 問い合わせ |
通り | とおり |
時 | とき |
伴い | ともない |
共に | ともに |
尚 | なお |
中々 | なかなか |
等 | など |
一つ/2つ | ひとつ/ふたつ |
他 | ほか |
殆ど | ほとんど |
又 | また |
全く | まったく |
迄 | まで |
良い | よい |
様な | ような |
これらは絶対的なルールではなく、適宜調整してルール化します。
文脈をみて、ひらがなが続きむしろ見づらければ漢字にする場合もあります。
私自身ふとしたときに迷うことも多く、そういった場合は
大手新聞やニュースメディア、NHKなどのサイト表記を参考にしています。
また以下のような書籍を一冊手元に置いておくと役に立ちます。
参考:知っておくと便利!漢字をひらがなに「ひらく」とぐっと読みやすくなる – NAVER まとめ
サイトの雰囲気やテーマも加味して表記を検討する。
たとえば「まじめさ」や「頑固(がんこ)さ」をパーソナリティとして表現したい場合や、商品やサービスのテイストによっては、漢字を多めにしたほうが雰囲気が出ます。「コツ」「ブレ」「ミソ」といった強調したい言葉をカタカナにしたり、オノマトペ(擬音語や擬声語)にカタカナを使うと、よい意味での「軽さ」や「ポップさ」が演出できます。Web文章入門 : 特別編 漢字とひらがなの使い分け方 | はじめてWEB
読みづらい漢字をひらがなで書くことを基本としながら、別の次元として、パーソナリティやキャラクターにもとづいて表現や字面を選ぶことは、読み手の心を動かすための大切な工夫です。Web文章入門 : 特別編 漢字とひらがなの使い分け方 | はじめてWEB
一般的にこれが正解、といった表記ルールは存在しません。サイトのテーマや書き手の色も加味しつつ、ページデザインと同じようにサイトの表記ルールを検討すれば、より効果的なサイト運用ができそうです。またガチガチのルールを作って運用できず破たんをきたすより、ある程度の「遊び」を残したガイドラインとして共有したほうが有効な場合もあります。
運用面の現実や共有方法も想定した上で、総合的に表記ルールは作成していきましょう。
校正時に役立つチェッカー・オススメ置換プラグイン。
ここでは文章校正に役立つチェッカーや、WordPressでの記事一括置換にオススメのプラグインをご紹介します。
文章校正に役立つチェッカー。
Word(Microsoft Office)
表記ゆれのチェックならWordは外せません。「表記ゆれチェック」ボタンひとつでチェックを行い、複数候補から希望のキーワードを選べば一発で修正が可能です。ただ普段Word以外のエディタを使っている場合、エディタ間の移動が少し面倒かもしれません。
Enno(WEBチェック)
日本語の誤字脱字や、おかしな文法のチェックならEnnoが断然オススメです。
便利なブックマークレットもあるため、文章を選択してクリックで簡単にチェックをかけられます。
ただしWEBサービスのため、機密性を気にするケースでは使いづらいかもしれません。
Enno – 日本語のタイポ/変換ミス/誤字脱字エラーをチェック
Tomarigi(フリーツール)
青山学院の日本語表現法開発プロジェクトから生まれた、校正・推敲支援ツール「Tomarigi」。
作成した文章表現を改善していく際の気づきを誘発することを目的として作成されています。
商業ツールではないため、少し使いづらい部分やセットアップに手間がかかりますが、
文章校正時のチェッカーとして入れておいて損はないツールです。
Tomarigi(校正・推敲支援ツール) | PaWeL:日本語表現法開発プロジェクト-青山学院大学-
記事内の表記を一括置換したい場合(WordPress)。
Search Regex
WordPressで構築されたサイトの場合、プラグインを使用して記事内の表記を一括で検索・置換することができます。あとから統一したい単語表記が出てきた場合など、入れておくと大助かりのプラグインです。
Search Regex — WordPress Plugins
表記ルールの周知・共有にはWikiがオススメ。
チーム内でのルール共有や周知には、いつでも参照・更新できるWikiがオススメです。
BacklogやRedmineなど、プロジェクト管理ツールのWikiを利用できればベストですが、
簡単にレンタルできる無料のWikiサービスを利用するといった手もあります。
以下ではサーバーにインストールして利用するWikiプログラムとあわせてご紹介します。
無料のレンタルWikiサービス。
サーバーにインストールして使うWikiプログラム。
まとめ
今回は日本語表記のルール作成時に知っておきたい、一般的な文章マナーや決まりごとをご紹介しました。
この機会に一度、あなたのサイトでも表記ルールを見直してみてはどうでしょうか。
これまでは気にならなかった、新しい気づきや発見があるかもしれません。
ただ表記や文体は統一して推敲すればするほど、ある意味では無機的になっていきます。
親近感、温度感や人となりのようなものは、やはりラフに書いたものに出やすいです。
個人をフックにして記事を書くような場合、あまり意識せず書いたほうがいい場合もあります。
そこは記事の目的やサイトテーマに合わせて選択していけばいいのかな、と思います。
もちろんその場合でも最低限の読み手への配慮は心がけたいものです。ではまた!
自社メディアの運用に!担当者で出来る簡単無料な品質チェッカーまとめ。
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