
どこまで知ってる?クリエイティブ・コモンズ(CC)のお約束。
2015年7月15日(水)に公開された、クリエイティブ・コモンズのライセンス、バージョン4.0 日本語版。
ガジェット通信によると、正式な日本語版リリースはなんと2004年公開の「2.1 日本」以来、約11年ぶりとなるようです。
さてここで質問です。あなたはクリエイティブ・コモンズについて、きちんと理解できていますか?
私自身は…あやしい、すごくあやしい。ふわふわしています。もちろん、CCライセンスの画像をアイキャッチや記事イメージとして使用するため、最低限知っておくべき点は理解しているつもりです。しかしライセンスの成り立ちや正しいクレジットの書き方など、イマイチ分かっていない点も多い。商用利用する上でこのままではいけない…。
そこでこれをいい機会にと調べてみました!
とはいえ公式サイトを見れば大体のことは分かると思いますので、ここではCCライセンスの画像を、素材として安全に使うにはどうしたらいいか、という点に焦点を絞ってお伝えしたいと思います。
ご存じの方はおさらいとして、知らない方はこれを機会に一緒に覚えちゃいましょう!
CCライセンスの画像を安全に使うために最低限知っておくべき予備知識や、フリー素材として使える画像の探し方や役立つ素材サイト、トラブルを未然に防ぐクレジット表記まで、順番にご紹介します。
クリエイティブ・コモンズ(CC)とは何か。
CCライセンス基本のおさらい。
まずは基本的なことのおさらいから!クリエイティブ・コモンズ・ジャパンより引用します。
クリエイティブ・コモンズは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称です。CCライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールです。
CCライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができます。
みんなが共通のルールに従って著作権について意思表示をすれば、著作物(写真や音楽・文章など)のやり取りもスムーズにいくよねって話かと思います。作者は守りたい権利を守れるし、使いたい側はルールさえ守れば、権利を侵害せずに自由に著作物を扱えます!
法学者のアイデアから生まれたこのライセンスでは、意思表示するためのマークが全部で6種類あります(現行バージョンの場合)。

こういったマークが(あるいは文章で)明示してあれば、そのライセンスポリシーの範囲内で自由に著作物を扱うことできます。マークが全6種類あるのは、どこまでのことが許されるのか、という制限の強弱を表すためです。
その制限の強弱は以下の図で表されます。
一番左から順に、制限が緩くなっていきます。

一番左が一般の著作物。よくフッターに書かれる○○○ All rights reserved.というアレですね。
文字どおり全権利を所有しています。なので勝手に使ったらマズいです。Copyright © 2015 ○○○も同じです。
一番右がパブリックドメインと呼ばれる権利が消滅したもの。著作者の死後50年で著作権は消滅します。
なので羅生門も人間失格もその全文をネットで見ることができます。No rights reserved.とも表記されます。
そして図にあるとおり、CCライセンスはその中間にグラデーションになって存在します。
その濃淡、つまり制限の強弱を6種類のマークで表しているわけです。
こちらはSome rights reserved.と表記され、いくつかの限定された権利を主張します。
ちなみにこれらの図や表示マークも、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンの公式サイトに掲載されているものですが、CCライセンスで公開されているため、こちらの記事でも使用できています。
各ライセンスのザックリ解説。
クリエイティブ・コモンズには、4種のライセンスがあり、それらを組み合わせて6種類のマークを表現しています。
ここではそれらのライセンスを簡単に説明します。

これらのライセンスを1つから3つ、組み合わせたものがマークになっています。
なおCCライセンスにおいては、表示(BY)は必須※なため、どのCC素材も必ずクレジット表示が必要です。
※バージョン2.0以降

記事やホームページなどで素材として使用する際は、制限がまったく無いパブリックドメイン(CC0含む、後述)の画像か、クレジット表記だけで済む、BY(表示)ライセンスだけの画像を使用しましょう。クライアントワークで、クレジットを表示して使用することはまず無いかと思いますので、その場合に使用できるのは、出典の明らかなパブリックドメインの画像だけとなります。

制限の異なる各マークには、それぞれコモンズ証(マークのリンク先)とリーガルコード(ライセンス原文)と呼ばれるものが付随しており、その効果を保証しています。さらに検索エンジンやプログラムにも理解できるよう、メタデータも用意されています。
バージョンの違いはどう影響するのか。移植って何?
2002年にリリースされて以来、改善を重ねながらバージョンアップしてきたCCライセンス。
そのため古いバージョンでは表記が異なったり、マークの種類が多かったりするようです。
また非移植・移植という名称は、世界共通の版か、国ごとの異なる法律に適応させたものか、という違いです。
今回リリースされたバージョン4.0では、国際版として世界的に文面が統一されました。
ただCCライセンスの写真を探して、Webサイトに利用するというような一般的な使い方をする場合には、ライセンスやマークさえキッチリ確認しておけば、基本は同じためバージョン・版違いは特に意識せずとも利用できそうです。
CC0とパブリックドメインの違いって?
パブリックドメイン作品とは、著作権の保護期間を過ぎ権利が消滅した著作物(写真や映画など)です。
クレジット表記をつけなくても、トリミングして改変しても構いません。その名のとおり「公共の所有物」だからです。
かわってCC0(クリエイティブ・コモンズ・ゼロ)も扱いは同じですが、著作者が能動的に権利を放棄したよーという著作物です。そしてそれを意思表明するためのツールとして、CC0があるというわけです。
というわけでCC0はパブリックドメインに含まれるけど、成り立ちが違うよ!という話のようですね。
フリー素材として使える画像を探そう。
フリー素材として使用する際には、ライセンスがBY(表示)だけの画像や、パブリックドメイン(CC0)の画像を探します。それ以外の画像もライセンスを守れば使用可能ですが、自由度が低いためあまり実用的ではありません。

このようなライセンス表示の画像を探しましょう。
その際は、以下のサイトで探すと便利です!
Flickr: Creative Commons
https://www.flickr.com/creativecommons/
StockSnap.io
AllTheFreeStock.com
どのサイトもCC0ライセンスの画像が豊富にあるため、制限なく自由に使用できます。
記事のアイキャッチなどで、クレジット表記も検討できる場合は、FlickrでBY(表示)の写真まで手を伸ばせば、かなりの量の画像が素材として利用できると思います!
またクリエイティブ・コモンズ公式の、CC Searchを利用しても同様の画像が探せます。
http://search.creativecommons.org/
画像が他サイトで使われているか確認する。

無料の画像素材として使える以上、すでにどこかで見かけた画像であることも多いです。
とても簡易なチェックにはなりますが、気になるようならGoogleの画像検索にて、カブりを確認してみてもいいかもしれません。また出典があやしい画像の、事前のリスクチェックとしても利用できますね!
https://www.google.co.jp/imghp
トラブル防止!安全なクレジット表示方法。
ここでは気になるクレジットの表記について検証します。
お急ぎの方は、下記の表記例まで読み飛ばしてください。
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンのFAQに以下のような質問があります。
(関係ないですが、このFAQ見づらい…)
CCライセンスの作品を利用する際、何を記載すればよいのでしょうか。また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのURLやアイコン、バナー等も表示しなければならないのでしょうか。
FAQの回答をまとめると、以下のようになります。
記載が必要な項目はなにか。
- 作者名
- 公表年
- タイトル
- スポンサー
- 元の作品のURL
- (改変を加えた場合)二次的著作物である旨
元の作品に表示が”あれば“記載しなさいとのこと。
どこにどのように記載すべきか。
利用しようとするメディア又は方法にとって合理的な方法で上記の表示を行ってください。記載場所につきましては、厳密に場所が決められているわけではありませんが、ウェブサイトへの掲載であれば、同一のページに記載して頂くことが望ましいでしょう。
決まってないけど、同一のページに書いてねってことのようです。
画像の下に書いておけば一番安心かと思います。
CCライセンス表示(マークや文章での明示・リンク)は必要か。
画像をそのまま利用する場合は必ず必要。マーク”でも“よいとのこと。
元の作品に改変を加えて二次的著作物を創作した場合は、二次的著作物の新たな著作権が発生します。この二次的著作物にどのようなライセンスをつけるかについては、理論上は二次的著作物を創作した人が自由に決めることができます。
改変(トリミングなど)を加えた場合、二次的著作物にあたるため、適用するライセンスを自由に選択※できる。
さらに二次的著作物については、All rights reserved.とし、画像にCCライセンスをつけないことも可能。
その場合でも、原作品のクレジット表記については必須で必要だが、マークなどは必要ない。
※元の作品より制限の緩いライセンスでの公開はできません。
例:BY-NC(表示‐非営利)ライセンスの作品を改変し、BY(表示)ライセンスを選択することは不可。
検証を踏まえた、安全なクレジット表記例。
上記検証を踏まえると、Flickr画像での安全なクレジット表記例は以下のようになります。
改変(トリミングなど)した場合。
Photo by John Doe – Change of venue(2015) / Adapted.
作者名 – 作品名(公表年) / 改変した旨 を表記しています。リンクは元の作品のURLに設定します。
二次的著作物にあたるため、All rights reserved.を選択でき、CCライセンス表記が不要になります※。
※SA(継承)ライセンスの作品除く。
改変せず、そのまま掲載する場合。
Photo by John Doe – Change of venue(2015) / CC BY 4.0
作者名 – 作品名(公表年) / CCライセンス を表記しています。リンクは元の作品のURLおよび、コモンズ証に設定します。
元の作品そのままなため、CCライセンス表記もそのまま必要になります。
とはいえ一般的な表記例はこういう感じ。
よく見かける一般的な表記例。
Photo by John Doe – Change of venue
作者名 – 作品名 が表記されています。リンクは元の作品のURLだったり、著作者のプロフィールページだったり様々ですが、基本的には作品URLが多いようです。この場合、公表年/改変した旨(改変した場合)/CCライセンス(改変していない場合) の表記が不足することになりますが、それで問題が発生することは現実的に考えられないのと、多くのサイトでこういった表記が採用されているため、一般的になっているのだと思われます。
どういった表記にするか、どこまで厳格な表記が必要かはシチュエーションによりますが、ある程度CCライセンスを理解した上で、表記を決定したいところですね!とはいえ面倒な場合は、CC0(パブリックドメイン)な画像を使うのが安心・安全で間違いないかと思います!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
クレジット表記ひとつとっても色々な制限やルールがあり、安心・安全に運用しようと思えば、それなりに神経を使わないといけないので難しいですね。けれどフリー素材探しにはとっても便利なので、面倒がらずにぜひ使ってみてください!
また表記も大事ですが、一番大事なのは著作者への感謝ですよね!その表現方法の一つだということも忘れずにいたいと思います。ではまた!
※クレジット表記やライセンス内容など調査の上で掲載していますが、記事内容に関して法的に何ら保証するものではありません。必ずライセンス条項をご確認の上、ご自身の判断のもとでご利用ください。
※記事中のCCロゴ、ライセンス画像・マーク・図、および引用文:Creative Commons Japan / CC BY 4.0(一部画像改変)
参考:
http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html
http://pcjyohochikusekiko.blogspot.jp/2013/09/blog-post_26.html
http://webcre8.jp/think/creative-license-user.html
? 2015年もトレンド継続。ヒーローヘッダーの参考・素材25選。
http://t.co/hGvNs7B0bj pic.twitter.com/GRNZjoyLrY
— BILLIONPLAN JAPAN (@BILLIONPLAN_JP) 2015, 8月 26
クレジット・リンク不要/商用可/アプリOK!アイコンフリー素材まとめ【2015年4月版】
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